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発達障害とは、2004年に支援の対象として認められた「第4の障害」であり、自閉症やアスペルガー症などの広汎性発達障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)などを指します。国の試算では子どもの6.3%(注1)が発達障害だといわれています。しかし現状は、ごく一部にしか特別な支援がなされていません。発達障害は、早期発見・早期療育が大切といわれています。幼児期に適切な療育をうければ、健全に発達して自立したおとなになることが可能といわれています。しかし、どんなに発達障害のある子どもへの療育を推進しても、その子の障害が治るわけではありません。障害と向き合いながら生活できるようになるだけです。そのため、地域住民が障害のある子どもへの理解を深めて、発達障害のある子どもが住みやすい地域社会を作る事が、とても大切になります。たとえば自閉症の子どもは、ことばを話せて要求を正しく伝えることができても、自然な会話はなかなか難しいでしょう。その事を周りの人たちが理解して、自然な会話が苦手な事を「あの子はちょっと変だ、性格がひねくれている」ではなくて、「あの子の個性なんだ」と解釈し、配慮を持って接することが大切になります。しかし現状において、両親を含めて社会の理解はほとんど進んでいないと言ってよいでしょう。親の不理解は虐待を生みます。教師の不理解は不適切な指導や学級崩壊を生みます。友人の不理解はいじめを生みます。親戚や近所の人たちの不理解は育児環境を狭め、親の育児に対する自信を奪います。子どもへの直接的な療育と並行して、両親をはじめとした地域社会の人たちの理解を得ることが、極めて重要になります。また発達障害のある子どもは、人間にとってとても重要な自尊感情が育ちにくいと言われています。親から適切な愛情を感じられず、教師からは罵倒され、友人からは馬鹿にされ、親戚や近所の人たちから相手にされなければ、自尊感情が育つ事は難しいでしょう。自尊感情の欠落は、不登校、引きこもり、ニートなどの社会不適応の大きな原因になります。本人が適切な療育を受け、社会の正しい理解が得られることで、自尊感情は健全に育成され、自分らしい人生を送る事ができると考えます。私たちは日本全国の発達障害のある子どもに、幸せになってほしいと思っています。幸せとは、その人それぞれが自分で定義するものです。自分で自分の幸せを決める事ができ、その幸せを実現して自分らしく生きてほしいと思います。現状はまだそんな社会にありませんが、今私たちが動かなければ、いつまでたっても発達障害のある子どもが暮らしにくい社会のままだと思っています。「日本の発達障がい児者を幸せにする」という使命に共感できる人が集まって、活動を進めます。私たちの理念は、『発達障害のある子どもが、コミュニケーションの力を身につけ、長所を伸ばし、地域のなかで自分らしく生きていけるよう、家族、地域、行政のみんなで支援する』ことです。発達障害のある子どもにとって、地域の中で自分らしく生きていくことが、幸せに生きるための大切な要素だと考えます。その実現のためには、苦手であるコミュニケーションの力を身につけて社会性を高めることと、自分の得意なところを見つけてその長所を伸ばして自尊感情を育むことが重要です。しかし、子どもの努力だけでは問題解決にはならず、家族、親せき、友達、学校や近所などの地域の人たちの発達障害の子どもに対する正しい理解と温かい支援が必要不可欠です。さらには行政のきめ細やかな対応と一貫性のある支援がなされることで初めて、発達障害のある子どもの幸せを実現する事ができます。私たちのNPO法人の名称は、『NPO法人発達わんぱく会』です。「発達」ということばには、「発達障害」のある子どもを支援するという意味と、「その子のもっている、今一番成長できる能力」を伸ばしてあげたいという思いの、二つの意味を掛けました。「わんぱく」ということばには、一つは子どもに対する思い、もう一つはおとなの子どもへの接し方に対する思いの二つの意味があります。子どもには自分の好奇心を大切にして元気いっぱい遊んだり学んだりする中で、自分の好きなことや得意なところを見つけてそこを伸ばしていってほしいと思っています。おとなには子どもに安全で適切な環境を用意して、子どもが自分の力で成長するのを温かく見守ってあげてほしいと思っています。「会」ということばには、同じ志を持つ多くの人が集まり、使命や理念を一緒に実現してほしいという思いがあります。つまり、「発達わんぱく会」というNPO法人の名称は、「発達障害のある子どもが好奇心いっぱいに遊んだり学んだりすることで、今一番成長できる能力を伸ばしていけるように、家族・地域・行政がみんなで支援する」という思いから名づけました。私たちのNPO法人は、早期発見事業、早期療育事業、地域社会の理解促進事業を中心に活動を行い、6.3%の全ての発達障害のある子どもが、適切な療育を受けられる環境を整備し、同時に日本の社会において、発達障害が正しく理解され、発達障害のある子ども一人ひとりが尊重される社会を目指します。注1 平成 15 年3月、文部科学省が公表した「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童. 生徒の全国実態調査」より引用
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テーマ: 障害を持つ子どもの療育
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