ブログをブロックする
ブログを報告する
未病を知って、自分の健康を守る。最近よく「未病」という言葉を聞きます。東洋医学の一番得意な分野でもあり、最も重要な言葉の一つですが、一般的には、なじみの薄い言葉です。平成9年に厚労省が「生活習慣病について」の白書の中で取り上げて、少し認識される様になりました。東洋医学の原典の一つが「皇帝内経素問(こうていだいけいそもん)」です。「未病」の概念はこの最古の医書に記されています。特に有名な個所は「四気調神大論」の「是故聖人不治已病、治未病、・・・・・・・」の部分です。≪これ故に聖人は已病を治さず、未病を治す、・・・・・・・≫聖人(色々な解釈が有りますが、道理の分かった優れた人)は、病気になってしまってから治療するのではなく、まだ病になる前(未病)に手当てをして、病気を未然に防ぐ。厚生白書では難経七十七難の「上工治未病。中工治已病者。何謂也。・・・・・・・・」を引用しています。≪上工は未病を治し、中工は已病を治すとは何の謂わんぞや。・・・・・・・・≫上工(名医)は未病を治療し、中工(普通の医者)は病気になってしまってから治療をするとは、どういう事か?・・・・・・・・『素問・霊枢』の編纂後、臨床の指導書として最も重要な医書とされるのが「難経(なんぎょう)」ですが、ここでは鍼灸師の目指すべき方向として、治未病(病気の予防)を説いています。二つの書中では「優れた人や名医は未病を治する・・・・」とありますが、貝原益軒の「養生訓」では前述の聖人の話を例に引いて、≪病、いまだおこらざる時かねて慎めば病なく・・・・・・是、未病を治するの道なり。≫と、自分で養生する大切さを説いています。聖人や名医でなくても、少し賢くなれば、自分の未病を知って、治することが出来ると云っているのです。でも、健康に気を使うなんて面倒だし、予防も病気も医者に任せておけば良いと思う人もいますよね。それは、やはり違うと思います。まず、病気になれば日常の生活が一変します。治すまでには心身共に辛い事が沢山あります。そして病んだ部分は完璧に元通りには治りません。病気にならない様に、少しだけ気を使う方が、よほど楽だと思います。次いで、日本の国民皆保険の問題があります。この制度は、全ての国民が保険証と一定割合の自己負担額を払いさえすれば、全国どこの医療機関でも自由に受診でき、殆どの病気に対して高度な医療を公平に受けられます。こんなに、お手軽、便利、親切な医療制度は世界のどこにもありません。これは誇れることには違いありませんが、日本人は、あまりにも便利なこの医療制度のせいで、自分の健康は先ず自分が守るという基本的な姿勢が無くなってしまいました。また、この至れり尽くせりの制度には、多くの無理があります。もっとも、国民が保険料や税金を充分に払えば、問題は簡単に解決します。しかし高齢化が進み、医療費は増える一方に反し、労働人口は縮小、経済成長は望めず、税収が伸びるとは思えません。近い将来には、若い人たちに多くの負担を強いることになるのです。そして、一定の医療費の中で多くの患者に対応するには、医療機関への医療報酬を制限せざるを得ません。病院経営を維持する為には、出来高払いのシステムもあって、沢山の患者を診て、沢山の薬を処方して、必要のない検査をせざるを得なくなります。このことが又、医療費を増大させます。薬の過剰投与や過剰検査が病気を増やす事にもなります。医療は荒廃します。それなりに気配りをして健康管理していても、病気になる事はあります。そんな時、病院で、質の良い最適な治療を受けたいとは思いませんか?その為にも、病院へは必要な時に行って、必要とする治療だけを受けるべきと思います。自分で「未病を知る」には具体的に、どうしたら良いでしょうか?まずは、自分の身体を知ることです。それは、自分がどんな遺伝子を受け継いできたかを知ることですが、両親・親族を見れば大体の見当はつきます。見当がついたら、その体質に悪いことは、なるべく避ける様にします。例えば、糖尿の体質が有ったら食事に気をつけ、適度な運動をして過剰なエネルギーを溜め込まない様にします。 大切なのは、日常生活の中で、無理なく実行できる様に組み立てる事です。もし運動が無理ならば「食事を控える」、あるいは食べるのが大好きで、腹八分が無理ならば「タップリ運動する」、などの様に…。自分が貰ってきた体質が分かって、ある程度対処する事が出来たら、あとは腹八分目、適度な睡眠、軽い運動、くよくよしないなど一般的な健康生活をして下さい。勿論、毎日そんな理想的な生活が出来る訳ではありませんが、私達の身体は意外にタフです。かなりの無理を修復してくれます。問題はその限界を感じる事です。自分の身体の声に耳を傾けていれば、その限界点は分かります。その時は、何を於いても休息を勧めます。健康でさえいれば、どんな難題にも立ち向かえるのですから・・・。予防医学としての「鍼灸」鍼灸の診断法は、脈・皮膚・匂い・声・筋肉など、病気に先立って身体の表面に表われる微妙な変化を重要視しています。そして、最も大切なポイントは経穴(けいけつ=いわゆる“つぼ”の事)と脈です。経穴と脈の反応によって、『気』の過不足・偏在・病邪気の侵入などを察知し、病気になる前に治療することが出来ます。
テーマ: 鍼の力
テーマ: 鍼灸=慢性前立腺炎
アメンバーになると、アメンバー記事が読めるようになります