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1
工作の思い出
子供の頃から工作するのが好きでした。
でも、どうして工作が好きだったかと振り返ると、実は家が貧乏で、おもちゃを買ってくれなかったのが理由ではないかと思ったりするのです。
私の子供の頃というのは、貧富の差が今以上だったので、豊かな家もあれば、私の家よりもさらに貧しい生活をしている家もありました。
裕福な暮らしをしている家の子供は、いつも最新のおもちゃを手にしていました。
そういうおもちゃを手にした友達は、とても自慢げでしたし、
持っていない子供は、その子の家に遊びに行き、おもちゃを見せてもらったり、
遊ばせてもらったりしたものです。
「誰々ちゃんが、今度新しいおもちゃを買ったんだって、
みんで遊びに行こう」
という会話が良くされていました。
そんな中で、自分の欲しい物が手に入らない。
欲しくても欲しくても買ってもらえない。
自分の小遣いだけで買おうとすると、どう計算しても数年かかるとか。
ならば、欲しいものは自分で作る。
ゴミ捨て場から材料をひろってきて、工作してみるなんてこともしました。
自分のおもちゃを作る目的だった工作も、すぐにそれ自体が楽しいことだとわかって、夢中になっていろいろな物を作っていました。
けれども、そこにもまた問題が。。。
子供には工作の限界があるし、工具もハサミとノリとセロテープくらいですから。
これはいかんともし難い課題。。。
と思いきや、これには別の解決策があったんですね。
父親の工具箱。
これを見つけたんです。
すると、実にいろんなものが入っている。
ラッキーでしたね。
工具箱を見つけて、目をキラキラさせている息子を見た、父親。
その時はどんな気持ちだったかな。
今、自分の息子と楽しく工作をしていますが、きっと同じような気持ちだったんでしょうね。
だいぶ前に天国に行ってしまった私の父には、もうその時のことなど聞けませんが、自分の息子との事を思うと、父のあの時の気持ちを理解できるように思います。
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