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私は18年間教育に携わってきました。そのうち2年間はオーストラリアの現地校で働きました。3年間はアメリカでの現地校で教師として働いていました。2010年~は親子向け教育イベントを開催するNPO法人を立ち上げ、現在も代表理事を務めています。この18年間で7000人以上の子ども達、3500組以上の家族と関わってきました。1歳の乳児~22歳の大学生まで幅広く関わってきた経験は、自分にとっての財産でした。これだけの経験を積んだのだから、自分の子育てはうまくいくという自信がありました。2015年2月私は3020gの男児を出産しました。計画無痛分娩で出産したため、痛みを感じる事はありませんでした。私は里返り出産では無かったため、産後は産後ケアセンターで過ごしました。しっかりと身体を休め、完璧なスタートを切ったつもりでした。しかし、帰宅して待っていたのは、24時間絶え間なく続く想像を絶する肉体労働でした。3時間おきに授乳をし、オムツを替えました。完全母乳での育児だったため、授乳の度に立ちくらみが襲いました。繰り返される乳腺炎で何度も高熱を出しました。子どもが寝ている隙を狙って、掃除・洗濯をこなし、重さ6キロの子どもを抱っこしながら夕食の買い出し。子どもが寝ている数十分の間に、数回に分けて食事の準備。もちろん、この間も授乳とおむつ替えは繰り返されます。何かをしようと取り掛かれば、直ぐに子どもが泣き出して中断されてしまう。子どもの様子が分かるよう、トイレのドアを開けたままが当たり前。自分の食事はいつも片手で食べられるおにぎりやサンドイッチのみ。とにかく食べられる時におにぎりをむさぼっていました。いつも冷えて固くなったおにぎりでした。自分が寝られる時間は30分×数回、一日にして3時間程。寝不足と疲労から、現実と夢が良く分からなくなることもしばしばありました。旦那様や義母から毎日のように容赦なく送られてくる「赤ちゃんには○○するといいらしいよ」というプレッシャーメール。悪気が無いのを知っているから余計に自己嫌悪に陥りました。毎日あっという間に過ぎて行く時間。数日間だれともしゃべらない日もありました。それはまるでブラック企業。頑張れば頑張るほど心と体はすり切れて行きました。我が子を可愛いとすら思う余裕の無い日々。私の思い描いていた幸せな母子の姿はありませんでした。その間、主人が子どもの面倒を見てくれて居なかった訳ではありません。オムツ替えもお風呂も毎日してくれたし寝かしつけも手伝ってくれました。毎日仕事で大変なのに、毎日早くに帰宅してくれました。それでも外で働いている主人煩わせるから、と弱音を吐く事が出来ませんでした。生後3ヶ月経った頃、心身ともに限界だった私は主人に泣きながら訴えました。「一人になりたい。ゆっくり寝たい。」と。この頃私の体重は40キロを切っていて、8キロになった子どもを抱っこして移動する事すら限界を感じていました。私と子どもは産後ケアセンターに戻り、私は再び自分をケアーすることに専念しました。たくさんのママたちと話す中で、なぜ私はここまで自分を追いつめてしまったのか?を自問しました。長い間教育の現場に関わってきた私が、7000人以上の子ども達、3500組以上の家族と関わってきた私がなぜこんなにも追い詰められているのか??それは「自分の母だけをロールモデルにしていたから」だったのです。私の母はなんでも出来るスーパーウーマンでした。高学歴、バリキャリのフルタイムワーキングマザーで、働きながら3人の子どもを育ててきました。父も仕事で忙しかったので子育ての中心は母でした。毎日誰よりも早く起きて、誰よりも遅く寝る。子ども達が起きた時には暖かいご飯がきちんとテーブルに並んでいる。そんな風景が私には当たり前だったのです。そんな環境で育った私は、母と同じ様にこなす事が当たり前だと無意識に思い込んでいたのです。しかし、母が私を生んだのが25歳の時、私が息子を生んだのは35歳。10年違うだけでも体力が全く違います。母が私を生んだときは祖母と同居していたので、身近に子育てを手伝ってくれる人がいました。私と母では状況が全く異なっていたのに、それでも私は無意識に母と同じようにするべきだ・・・・と感じていたのです。人は一番身近な人間をロールモデルにしがちです。特に母親が子どもに与える影響はとても大きいです。解決方法はたくさんあるのに、他のモデルを知らない事で解決方法が分からない。そんな人はたくさん居ます。自分の母親と同じようにこなすことが「当たり前」だと無意識に思い込んでしまい、できない事で自分を責めてしまう。私もその一人だったのです。再び産後ケアセンターから戻った私は、義母やとても幸せそうなママ友たちの「当たり前」を徹底的に聞いて回りました。その「当たり前」は自分の思っていたそれとは大きくかけ離れたものばかりでした。自分が頑張っていたのは家族の為ではなく、本当は「良い妻・良い母」に思われたかったからということ。「あるべき姿」を勝手に決めつけてしまって自分で自分の首を絞めていたこと。 思い切って主人にその事を話してみました。もしかしたら「甘ったれるな」とか「しっかりしろ」とか言われるかも、と思いながら。しかし主人から返って来た言葉は拍子抜けするほど意外なものでした。「家事代行に頼もうよ。プロに頼んだほうが綺麗になるよ。だって君は整理整頓苦手でしょ?ご飯はどこでも食べてこられるから気にしないで。でも君はちゃんとしたものを食べてね。」と。その言葉を聞いた瞬間、自分の勝手な思い込みが自分を苦しめていた事を知りました。旦那様はこんなにも優しかったのに、私は一人勝手に壁を作って見えない何かと戦っていたのだと。私は自分の「当たり前」から反れる事は「世間から非難されること」と勝手に決めつけていたのだと気が付いたのです。その後は義母さんにも協力を仰ぎ、毎週ご飯を作ってもらい、自分の睡眠時間を確保しました。週に一度は主人が息子の面倒を見てくれて、自分はエステに行ったり友人との食事を楽しんだり出来る様になりました。ずっと「お願いしたら申し訳ないな」と思っていたけど、勇気を持って頼んでみたら、案外旦那様も義母さんも嬉しそうに引き受けてくれていました。数ヶ月ぶりに使うナイフとフォークは何だか変な感じだったけれど、その頃から私は自分の子どもと主人を心から愛おしいと思えるようになったのです。子どもが夜泣きをしなくなったのも、私たち家族の笑顔が増えたのもこの頃からです。私のように苦しんだり、悩んだりするお母さんたちの負担を少しでも軽減したい。そして、お父さん達にもお母さんたちに寄り添って欲しい。そんな想いから「グローバル共育塾」を設立しました。グローバル共育塾では家族が絆を深め合い、学びや楽しみを共有出来るワークショップを開催しています。また、家族間交流が出来るランチ会なども開催しています。ワークショップを通して、初めて子どもの興味・関心に気が付く方もいらっしゃいます。他のパパたちの子どもへの接し方を見て、急にイクメンに目覚めるパパもいらっしゃいます。他のご夫婦の関わり方を見て、月に一度2人きりでデートの日を設け始めた方もいらっしゃいます。結婚にあまり良い印象が無かった方が「理想の夫婦」を見つけられ、積極的に婚活を始めたりもしました。自身の親以外のロールモデルに触れる事で、今自分に必要な事に気が付く人が沢山居ます。グローバル共育塾では学びや交流を通して、幸せで豊かな家族を日本中に増やしていきたいと本気で思っています。ママのロールモデルは世界中のママの数だけ存在します。パパのロールモデルも世界中のパパの数だけ存在します。私は今まで、国内外のたくさんの子ども達と関わってきましたが、共通して言える事があります。それは「自己肯定感の高い子どもの家庭は家族仲が良い」ということ。そして「家族仲が良い家庭のお母さんは幸福度が高い」ということです。これは日本であろうと他の国であろうと同じです。自己肯定感の高い子どもは自信があり、自立が早い傾向にあります。つまり世界(グローバル)で活躍する可能性も高まるという事です。子どもの幸せを願うのなら、子どもの活躍を望むのなら、まずはお母さんが幸せを感じ、家族に循環させる事。どんなに有名な学習塾に通わせても、家族仲が冷え切っている限り、子どもの自己肯定感が高くなることはありません。たくさんの幸せのロールモデルに触れて、あなたらしい子育て・夫婦関係を見つけに来てください。
テーマ: ブログ
子育て(ベビー)
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