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2003年５月下旬に脳出血を発症。突然、私が今までの私ではなくなった。生き返ったら、全く似て非なる世界に。現実を現実として受け入れる。それが私が少しでも永く生きる術だから。元の私に戻れない。なら、どう生きる？前症例がない。医者も困惑。治療の糸口が見つからないとか。なら、こんな思いをするのは、私だけで沢山。私が残す医学的データが、少しでも役に立てば、それで良い。死滅した脳細胞の一部は絶対に元に戻らない。衰えていく私の体は私が一番分かる。最近、身体より精神の方が脆くなった。拡がる草原を前を向いて歩くだけ。落とし穴に落ちながらでも。決して、後に向けない。それが私の死を意味するから。そんなに悲観的にならない。なる必要もない。私が生きた事をほんの数秒でも知ってくれる人と出逢えたのなら。それで良い。
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