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ボルちゃん
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ボルちゃん
高所恐怖症。
小心で大胆。
あることがきっかけで15キロやせた。
性別
男性
居住地
東京都
ステータス
既婚
職業
公務員
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違和感
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2024年03月05日 07時42分
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青春18切符①
乗り物に乗るのが好きだ。電車、バス、バイク、ママチャリも意外によく走る。車はずいぶん前に手放してしまった。これらは交通手段にすぎないのだが、僕をはじめマニアにとっては乗ること自体が目的でもある。だから行く先は深く問わない。
先日、青春18切符を使って鈍行と快速を乗り継いで学生時代を過ごした町に片道8時間近くかけて日帰り旅行をした。
名古屋駅のホームできしめんを食べる。普通はそこから近鉄に乗るのだか、今回はJRだ。それでも途中から第3セクターの鉄道を使用するために別料金になる。
電車が目的の町に近づくにつれて初恋の人に会うような心地がしてきた。卒業した当初は毎年、少なくとも2年に1回はこの町に訪れていた。
かつて自分の属した学部は敷地内の一番奥にあった。一学年60名で僕たちの学年は全員男性だった。その学部は他の学部と統合され、発展解消されてしまった。
1年から3年間過ごした学生寮は古びていたが、いまだ健在であった。夏休みのためか人の気配はなかった。数十年前、今は亡き父親の運転する車に布団や当面必要とする生活用品を積んで入寮したのだ。父親と二人だけで長い時間車に揺られたのは、これが最初で最後であった。
入学式を終え、新入生歓迎コンパがあった。そのときに急性アルコール中毒になりかけた。その時から2年間焼酎を飲むことができなかったのである。
夏休みともなると実家に戻らず、女友達を連れ込む輩がいた。彼女のいない学生たちは、
うらやましがりつつも、見ぬふりをしてじっと耐えていた。
大学では教育学部の学生が主体の、子供たちのための演劇部に入った。きっかけは年下のあか抜けない上級生の女子が勧誘してきたからであった。脚本を書きたいと思い入部した。しかしゴールデンウィークには木こりの役で舞台に上がっていた。演劇部には秘密の部室があった。六角校舎の中にある控室だ。そこで本を読んでいると講義が始まり、出ていくこともならず、講義が終わるまで物音立てずにいた。演劇部に入ることによって学生生活はそれなりに充実していた。あれからずいぶん時間が過ぎてしまった。
変わらないと思っていた地方の都市も変わってしまった。愛着を残した町はどこにいっ
てしまったのだろう。答えはわかっている。濃密な時間を過ごした友がいないのだ。
それでも昔日のにおいを残している場所がある。狭い旧街道沿いに残る黒塀や蔵だ。
大学の裏には海岸がある。ここで若き日の甘酸っぱい思いをどれほど残しただろう。夜光虫がきれいで、酒を飲んで溺れかけた海。後輩を1人なくしかけた海。
毎日のように入り浸った喫茶店も今はない。あのころは第2の故郷とさえ思ったこの町。たった4年間しか過ごしたに過ぎない街に深い愛着を持っていた。そんな思いも今では薄れてしまった。
若き日の思いを3時間少しの滞在で確認したのち、来た時と同様8位間近くかけて家に戻った。正面の窓ガラスに年老いたなじみの顔が映る。現実にも出るまでに少しの時間が必要だ。様々な思いを反芻しながら夜汽車に揺られるのも素敵だ。
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