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うそつきな女がいましたうそつきな男に恋をしました空にかかったうそのお月さまかわすことばもうそばかりうそでかざった城に住みうそのしぐさで愛しあいくたびれきってわかれましたうそつきな女は船に乗りうその思い出を詩にかきましただけど海にこぼしたなみだだけはほんとでしたほんとのなみだは海のそこで貝の真珠になりました真珠を日に透かすと過ぎ去った日々のさよならが見えました真珠の光にてらされて女はさかなになりましたもしも あたしがおとなになってけっこんして こどもをうむようになったらお月さまをみてひとりでになみだをながすこともなくなるだろう とさかなの女の子はおもいましただからこの大切ななみだを海のみずとまじりあわないようにだいじにとっておきたい と貝のなかにしまいましたそして さかなの女の子はおとなになってそのことを忘れてしまいましたでも 真珠はいつまでも 貝のなかで女の子がむかえにきてくれるのをまっていたのですお月さまをみてなみだをながす今夜まで ー『真珠』寺山修司
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