Fuminori Nakatsubo

研究室紹介

 私が所属する,広島大学大学院教育学研究科附属幼年教育研究施設は,幼児教育学・幼児心理学を専門とするスタッフで構成されており、1966年の設置当初から、幼年期の教育に関する総合的・実証的研究の拠点としての役割を担っています。1975年からは,大学院教育も行っており,「高度な専門知識を備えた研究者」「保育者養成に関わる教員」「保育・教育現場における研究的実践者」を養成しています。近年は,広島県私立幼稚園連盟と連携し,保育者の幼児教育力向上実践研究プロジェクトに取り組んでいます。これは,保育現場で実践研究をやってみたいと思っている保育者,幼稚園の中で実践研究をどう進めたらよいか困っている保育者を対象に,私たち大学教員と大学院生が実践研究を支援するという試みです。大学機関と保育現場が手を携えて,保育者の日々の関心や課題を探求するという活動は,全国的にもユニークであることから,多くの方に注目を寄せて頂いています。
 私の研究は,以前から保育実践のフィールドワークを通して,仮説や理論を生成するというスタイルで行ってきました。現在は,保育者との協働性に基づいた研究方法に関心を持っています。保育者と研究者が相互の視点で実践を解釈したり、当事者としての保育者の声を研究に反映させたり,保育者の内省・思考・感情などを研究者が可視化したりするなど,両者が相互にコラボレートすることで、研究者のみの視点では接近することのできない事象を描出できることに,大きな魅力を感じています。
 2012年度の私の研究室は,博士後期課程3名,博士前期課程3名,学士課程2名,研究生(海外国費留学生)2名(計10名)が所属しています。彼(女)たちの研究テーマも様々ですが,年齢や国籍(中国・フィジー・バングラデシュ・日本)も多岐に渡ることから,刺激的な学び合いや知の交流を深めることができるようです。「特別研究」の授業では,各自が研究状況を報告し合い,相互批判と自己吟味を通して,研究のブラッシュ・アップに結び付けていきます。フィールド研究であれ,文献研究であれ,私の研究室に共通するのは,自ら収集したデータ(「見えるもの」)を通して,問いを立て,仮説を生成する(「見えないもの」を見る)ということです。
 保育・幼児教育の実践と研究に興味のある方は是非,広島大学大学院教育学研究科附属幼年教育研究施設のサイトにアクセスしてみて下さい。

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