ブログをブロックする
ブログを報告する
私は2012年の10月、27歳のときに精巣腫瘍(精巣がん、睾丸がん)と診断されました。精巣腫瘍は、男子の10万人に1人が罹患する病気で、20代や30代の比較的若い年齢の男性がかかる病気です。私はその中でも最も進んだ状態である、第三期のCという状況でした。タイプは成熟奇形腫という、抗がん剤が殆ど効かない成分が含まれるものでした。幸いにも、6クールの化学療法(抗がん剤治療)と3回の手術の末、2013年2月に腫瘍マーカーが陰性化し寛解(病気が治まった状態)を得ました。同年5月の後腹膜リンパ節郭清の12時間に及ぶ大手術を経て、11月後半より社会復帰しました。2014年5月からはフルタイムで仕事をしています。何とか持ちこたえている感じです。病気になる前よりも強く優秀になって復活を遂げようと日々奮闘しています。精巣腫瘍の治療は、睾丸摘出の手術とそのあとの化学療法が主なものですが、化学療法で精巣腫瘍に対して有効性が証明されているものは、BEP療法(ブレオマイシン、エトポシド、シスプラチン)とTIP療法(タキソール、イホスファミド、シスプラチン)の2種類ですが、この2ndラインより後の治療法が確立されていません。精巣腫瘍で亡くなる人ががんで亡くなる人の0.1%にすぎないため、そのためにクスリが開発されるという機運がありません。実際に私の友人にはこれらの治療が効かず、未だ希望を持てない苦しい治療の最中にいる人や、壮絶な闘病生活の末に亡くなられた方もいます。ゆえに、まずこの病気について広く「知ってもらう」ということが重要なことであり、それについて情報発信をしていくことが、この病気にあって助けられた私の責務であると考えています。人生の苦しさというのは究極的には誰にとっても平等なのだと思います。苦しみが訪れるタイミングが人によって違うだけです。人が死から逃れられない運命にある以上、誰もがいずれかの時点で人生の終焉を受け入れなければなりません。「受け入れる」と簡単に言いますが、そんなことが本当にできるのかどうか、私にもわかりません。しかし、日本人の70%以上は病気でこの世を去ります。闘病記といえばお涙頂戴的なものであったりしますが、病気という、残念ながら普遍的であるにもかかわらず、多くの健常とされる人が普段は意識せずに過ごしているものを、身近なもの、自分のこととして感じてほしいということが、私が病床にいた時に、もし何か一つだけ社会に言葉を残すことができるとすれば何を言うかと考えた末にたどり着いたメッセージです。皆さん、我々其々に与えられた限りある人生、力の限り生き抜いて、最高に充実したものにしてやりましょう!
テーマ: がんの予兆 ー私の場合は腰痛ー
テーマ: 経過観察
テーマ: ブログ
入院・闘病生活
アメンバーになると、アメンバー記事が読めるようになります