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「お姉ちゃんのケーキ美味しい!!また作って!!」この一言で私はパティシエになることを決めました。私が子供のころ、母はお菓子教室に通っていました。母の手作りのケーキのある誕生日会は20年たった今でも覚えています。チョコのマーブルのスポンジ生地に生クリーム、いっぱいのった苺、買うと小さいけど、お母さんのケーキはまた大きくてそのケーキが美味しくて、母にお願いして母と一緒に初めてケーキを作りました。「お姉ちゃん!美味しいよ!!」人が嬉しいと自分も嬉しい気持ちになることを初めて知りました。小学6年生だった私がパティシエへの夢のスタートを切った瞬間でした。サッカーの本田選手と同じ、小学校の卒業文集の将来の夢は「ケーキ職人」実現するまで8年間ずっと変わらず追いかけた夢でした。専門学校を卒業後、ホテルに就職。ホテルは昔ながらの縦社会、そして、男尊女卑の世界でした。もっと働きたい。もっと学びたいのに、返ってくる言葉は「女の子なんだから」「女の子は結婚して子供産んで家でお菓子を作ればいいじゃない」「女は裏方、男は花形」意気込んでこの世界に入ったのに、女ということだけで、何も期待されないということに悲しい気持ちになりた。頑張ればいつかは!!と頑張るけれど、また「女の子なんだから」と言われ、周りにも疑心暗鬼になり心配してくれる言葉まで素直に受け入れられなくなっていました。そんな日々を過ごし、半年後。また上司に「女の子なんだから、そんなに頑張らなくていい」と言われ、必要とされない悲しさに泣いていた時、見つけられてしまったのが4つ上の先輩でした。今まで、私は泣き言を言ったら仕事がもらえなくなると意固地になり誰にも話せなかったのですが、今までの気持ちがあふれ初めて自分の気持ちを泣きながら先輩に話しました。先輩は話を聞いてくれたあと、「分かった。俺が頭下げてやる。そのかわり、お前をこれから女として扱わないから仕事辛くても覚悟決めて、そのつもりでいろよ。」初めての理解者でした。そのあと、この時を後悔することも多々ありました(笑)本当にこの先輩は容赦なかったです。ですが、初めて私を認めてくれて、頭を下げてくれた御恩を私は一生忘れません。なぜなら、彼のおかげで私は今もパティシエを続けられているからです。先輩に怒られるのは怖くありませんでしたが、がっかりされることが本当に怖かったですその尊敬する先輩が言っていた言葉で、今では私の信条でもある言葉があります。「笑って作ったお菓子は美味しい。自分の為に作るな。」上司を見返すために仕事をしていた私に対する言葉でした。その後3年働き単身フランスにチョコレート修業へ。フランスでは上を目指すモチベーションの高い料理人達に会いかなりの刺激を受けました。帰国後も、フランスでの経験を買われ日本のチョコレート店で働き知識、技術を深め順調に経験を積んでいった10年目のあるバレンタインで事件が起きました。ハートのチョコレートを作っていた時、素人の方には分からないかもしれないけど、プロとして、イマイチなものを作ってしまいました。ですが、納期は迫ってきています。結局上司の判断で出荷されたのですが、その向こうにいる大好きな人へ気持ちを伝えるために買ってくれるお客さまに申し訳ない気持ちになりました。私は、なぜ、この仕事を選んだのか、なぜ、辛い思いをしてまでこの仕事を続けて技術を磨いてきたのか。仕事をやっつけでこなし、胸を張れない自分は誰の為に作っているのか。「私、笑ってお菓子をつくれていない、自分の為に作ってる」働き方を変えなければならないと、感じていました。当時私は50人くらい住んでいるシェアハウスに住んでいたのですが、シェアメイトが引っ越すことになり、パーティーが開かれることになりました。12月の忙しい時期でしたが、大好きな人のパーティーだったこと、大人数だったので7種類くらいのデザートを作りました。デザートタイム。各種デザートの説明も終わり、みんな美味しいと言って食べていると、一人の女の子が泣き出してしまいました。「どうしたの?!!」と聞くと、「ケーキを食べているみんなの顔が笑顔で、嬉しそうで、この空間がとても幸せな空間になっていて、幸せで嬉しくて泣いてしまった。」「さとみちゃん、夜中に帰ってきて忙しいのに、疲れているのにこんなに美味しいケーキを作ってくれてありがとう。」「この時間は一生忘れない。」私も泣きました。これだと思いました。私のケーキを食べてこんな気持ちになってほしい。私は、こういう気持ちになってもらいたくてお菓子を作りたいんだと思いました。母の作ってくれたバースディケーキを20年たっても覚えている理由はこれだと思いました。誕生日に私たちの為に作ってくれたケーキ。買ってきたケーキも美味しかったはずです。でも、20年たっても覚えているのは、お母さんが私のために私のためだけの世界で一つだけのケーキだから覚えているんです。*笑ってお菓子を作りたい*お菓子の力で幸せな空間をもっと作りたいこの二つに気づいた私は独立する決意をしました。独立してお菓子教室を始めた私はひとつの重大な事実を知りました。私にとって当たり前なことが、当たり前ではなかったことに。お菓子の材料はそれぞれ様々な特性、そしてその材料を使う意味があるんです。それは、ミクロの世界から理解するべき内容です。それを知らないでお菓子を作っていると、失敗したり、美味しくない混ぜ方をしていたり不幸のスイッチをいつも押しているのです!!お菓子作りが好きな人は、相手に喜んで欲しくてプレゼントする、人の幸せを願える奉仕の気持ちの強い素敵な人ばかりです。その素敵な人が不幸のスイッチを押している!!!!!その事を知った私は、自分でお菓子を作っている場合ではない!!早く助けなければ!!!!と思い、今は手作りお菓子を人にプレゼントしたことのある素敵な方を中心にレッスンを行っております。お菓子は科学です。お菓子作りにはコツがあります。私も10年パティシエをしてたくさん失敗し学んだことがあります。料理と違い特殊な材料が多い、不慣れな作業も多いお菓子作りです。だからこそ、お菓子を食べる時日常ではない空間ができるのです。愛する人を思い浮かべて作るあなたのお菓子は私が作るより20年後も記憶に残るケーキを作ることができるでしょう。レシピを見れば味まで分かる!お菓子マニアの為のお菓子教室スイーツプロフェッサー 川路さとみ
テーマ: お菓子のコツ
毎日のレシピ・料理・献立
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