せっけんは天からのおくりもの
紀元前八百年頃、後のローマ帝国のあたり
神殿の建つ丘ではヤギをはじめとする度動物たちが火にかけられ
人々の祈りとともに神々へのささげものとなりました
火にあぶられた脂は灰の上にしたたり落ち
煙は黒く高く天へと立ち上りました
そのころ女達は、丘のふもとの川辺に三々五々集まり
おしゃべりをしながらにぎやかに衣類を洗うのが習慣でした
丘の上から流れてくる、溶けた脂と灰が泥と一緒になって川に入りこむと
洗濯物が不思議と綺麗になるということに彼女達が気がついたとき
古代ローマ人にとっての「せっけん」が発見されたのだ、と言われています
もし、こののどかで美しい古い言い伝えがほんとうならば
せっけんは祈りとささげものの命とひきかえに
天から人々に届けられた贈り物だったのです。
-石けんのレシピ絵本 前田京子著 飛鳥新社(2002)-
いいぞ!手作りせっけん
なんといっても原材料から自分で選べること。
自分の肌に合った良質の植物油やお気に入りの香りを入れることができる。
肌に負担のかかる合成保存料や化学防腐剤などの添加物は一切使わずに作れます。
手作りせっけんを使ってみてまず驚くのは そのしっとりとした洗いあがり
理由のひとつ けん化の際に生じる天然グリセリンのおかげです。
グリセリンは透明で甘みのある粘着性の物質で空気中の水分を集める性質があります。
化粧品の保湿剤や潤滑油として幅広い用途があり
自然化粧品の原料としても親しまれています。
市販の多くは「塩析」という家庭でグリセリンを取り除いてしまいますが
手作り石鹸の場合はそっくりそのまま残すことができます。
しっとりするもうひとつの理由は 石鹸に含まれる過剰油脂によるもの
石鹸を作る際にわざと苛性ソーダを少し減らして作ります。
石鹸内の過剰油脂のおかげで 手作り石鹸は肌の皮脂をとりすぎることがなく
洗いあがった肌をシットリと保護してくれます。
グリセリンと過剰油脂、このふたつがあるおかげで手作り石鹸は
シットリと優しい良質の石鹸となるわけです。
また石鹸は肌ばかりではなく 環境にも負担が少ないと言われています。
石鹸は水に流れると 約24時間で水と炭酸ガスに分解されるといわれており
川や海の水をひどく汚すことがないため、環境問題への関心がたかまりつつある
今日ではそのよさが見直されています。