2010年度 社団法人松山青年会議所 基本資料
2010年度 社団法人松山青年会議所 理事長所信
ジャパニーズミラクルと呼ばれた高度経済成長時代、先の大戦により、日本国から分離され米国の支配下にあった沖縄が本土復帰を果たし、日中国交正常化の共同声明に署名がなされた1972年。常に進んでやまざる先輩青年達の絶えざる修練と友愛の精神により、まつやまのJC運動が20年目を迎え、「明るい豊かな社会」の実現に向けて、多くの市民が夢と希望をもって凛とした大人の背中を見せていたそんな時代にこの世に生まれた。
はじめに
荒廃したまちを目の前にして「新日本の再建は我々青年の仕事である。」との使命感から東京で青年会議所運動に灯がともって60年が過ぎた。わが国は、先人たちの弛まぬ努力と技術革新により経済的に急速な成長と発展を遂げ、物質的には豊かな社会を実現するに至っている。しかし、米国を震源とする金融市場の混乱が実体経済にも波及した結果、わが町まつやまの経済環境も様変わりし、過去に経験のない景気の減速と先行きの不透明感により、地域(まち)の活力(ちから)が失われつつある。この様な混沌とした世情においても、自由に生きることを優先し自らの意思でニートとなったり、己の力を顧みず、夢を追うと言いながら親に寄生したり、努力せず不平等を嘆き、世の不条理にすぐに挫けてしまう。気がつけば、そんな幼稚で情けないひ弱な日本人が増えすぎてはいないだろうか。そして、それは私たちにおいても考えさせられるところがないだろうか。青年としての英知と勇気と情熱をもって、個人の自立性と社会の公共性が生き生きと協和する確かな時代を築くために率先して行動することを宣言している私たちの姿はどうであろうか。先の設立趣意書は「我々青年はあらゆる機会にとらえて互に団結し自らの修養に努めなければならぬと信ずる」と結ばれている。
2010年 愛する郷土まつやまの市民から最も頼られ、必要とされる青年の集いへの歴史的な転換期として、一切の妥協を排し、最も信頼する皆さんと使命感と覚悟を持って社団法人松山青年会議所の『せんたく』に取り組みたいと考えている。
JAYCEEに今求められるもの
私たちはもっと勉強しなければならない。「青年の学び舎」とよばれるJCに身を置きながら、最近の私たちはあらゆる機会において「学ぶ」ことが少なくなっているように感じる。それは、私たちの運動や活動がそう変化しているのではなく、あらゆる機会に対する私たちの姿勢に問題があるのではないだろうか。今、私たちに求められているのは、机上の空論や闇雲に汗をかくことではなく、人間力溢れるひとりの大人としての魅力の確立であると確信している。つまり、私たちが今、取り組むべき課題は、人間力を涵養するために真摯に「学ぶ」ことと凛とした大人の背中を体現するための自分づくりではないだろうか。人間力とは「基礎学力(主に学校教育を通じて修得される基礎的な知的能力)」、「専門的な知識・ノウハウ」を持ち、自らそれを継続的に高めていく力。そして、それらの上で応用力として構築される「論理的思考力」、「創造力」、さらに「コミュニケーションスキル」、「リーダーシップ」、「公共心」、「規範意識」や「他者を尊重し切磋琢磨しながらお互いを高め合う力」。また、それらの能力を発揮するための「意欲」、「忍耐力」や「自分らしい生き方や成功を追求する力」などを総合的にバランス良く高めることが、人間力を高めることといえるのである。つまりは、幅広い知識、正しい見識、つよい胆識による「人間としての深さ」、高い志と熱い情熱、すぐれた才能と豊かな人柄による「人間としての幅」これらを修養することがJCで「学ぶ」STRONG LEADERSHIPであると考える。
自分の「ガバナンス」を変える
自分の仕事や人生を変える経験は個人を強くする。JC運動への参画は自分のガバナンスを変える経験であり、自分の知らなかった自分を発見させてくれる機会である。JC運動への参画により自分のガバナンスを変える経験を通じ、「己を知る」ことが出来た人間は、自分の可能性に挑戦する闘争心や、自分の限界に挑戦する冒険心により人生を骨太に生きる芯の強さを持つコツが出来ると確信をもって言える。
私たちは、JCに用意されているあらゆる機会について真剣に考え、「自分はJCを通してなにをなすべきか」という考えを明確に持つべきである。明確な目的意識なくJC運動に参加しても、例えばそれが長い期間の参加であっても、経験年数を誇る以外に他人に誇示できない目を背けたくなる光景となる。つまり、私たちは一人ひとりが常に「自分はJCに参加する何年間で何をしよう」という目標意識を明確にもって、自分のガバナンスを変え「己を知る」ことに挑戦しなければならない。そして、もっとも大切なことは、自分の求める目標にプライオリティ(優先順位)をつけて、一つひとつ達成してゆくことである。そのプロセス一つひとつが、結果として人間力溢れる青年へと自分を成長させることにつながるのである。
青年の学び舎として
会員数の減少は松山JCにとって深刻な問題であり喫緊の課題である。昨今の厳しい経済情勢の影響は否定出来ないが、JC運動のあり方、JC運動の持つ本当のVALUE(価値)が理解されていない部分も否めない。私たちは、責任ある仕事を持つとともに己を磨く自分と向き合う時間を持つべきである。そして、「修練・奉仕・友情」の三信条のもとJC運動に参加しているのであれば、常に仕事もJCもという意識を持つべきである。あまりにも私たちは、あれかこれかという二者択一的な考えをしがちであるが、それぞれのベストにおいてあれもこれもという思考で臨むべきではないだろうか。JCは能力を高めるところであり、仕事(会社)は能力を発揮する場である。つまり、JCへの参加によって開発された能力を仕事で活かし、仕事において結果を収めて得た報酬をJCへの参加に使うことによって、さらなる修養に努めるのである。
私たちの多くは、二十歳を過ぎるまで時間とお金をかけて自分の能力をのばすために学校に行き努力するのに、社会に出るとそれを怠るようになる。人間にとって体力は20歳から30歳位でピークを迎えるが、人間の能力は60歳過ぎまで成長すると言われている。私たちは、常に自己の成長のために時間的、金銭的に投資を続けるとともに、そのための努力を継続しなければならない。そして、時には就業時間にJCに参加しなければならないケースも出てくるかもしれないが、その際には、会社に犠牲をかけているという意識を決して忘れないように臨みたい。その意識から積極的な勉強への姿勢が生まれてくるのである。
グローバルマインドで見た地域活動
私たちの運動の根幹は、市民意識に触れることのできるLOMの活動であり、地域に根ざした運動を展開することは非常に大切なことである。しかし、本気で地域を変えよう、明るい豊かな社会を実現しようと考える時、同一組織の中のみで長年過ごしていると自分の気づかないうちに発想が硬直化してしまうことがよくある。LOMでの活動は最も重要なことであるが、井の中の蛙とならないよう、JC活動や出向でいろいろな人に出会い、様々な事業や諸大会を通して気づきや学びを得ることは大切なことである。そして、学ぶことにより「成長」があり、「成長」を繰り返すことが人間力溢れる大人へのPOSITIVE CHANGEに繋がっていくのである。それには、ブロック協議会、地区協議会、日本JC、JCIが行う運動・事業にも積極的に参画し、自分のガバナンスを変える経験を出来るだけ多くすることが必要なのである。そして、私たちJAYCEEに平等に用意されている「個人」「地域」「国際」「ビジネス」の4つの機会においてしっかりとした成果を享受したいものである。つまり、さまざまな研修プログラムや活動を通した修練による「個人」の能力を開発する機会、そして、地域社会との関わり、社会開発、社会奉仕活動による「地域」へのサービスの機会、さらに、JCIのメンバーとして世界と関わり、国際交流、国際貢献する「国際」の機会、また、日本全国、世界各国の志あるメンバーと出会い、青年経済人として活躍の場である新しい「ビジネス」への機会である。
その機会を、個人のレベルから地域レベルへ、地域レベルから国家レベルへ、国家レベルは国際的なレベルに昇華させていくのである。すべての機会は地域における「個人」の活動がスタートである。地域活動を通じたグローバルインパクトこそが私たちの運動の最大のVALUEであると信じている。
2020年まつやま まちづくりビジョン
ミレニアムと言われた世紀を跨ぐ2000年、志高い先輩たちによって、まつやまに必要なまちづくりの柱として、「環境、教育、産業、歴史文化、まつり、情報、地域コミュニティ、福祉」の8つを柱とした「2010年まつやま まちづくりビジョン」が発信された。そして、このビジョン実現のために松山JCの中期運動指針が立てられ、加えて毎年実行していくアクションプランが策定され10年、私たちは「2010年まつやま まちづくりビジョン」をどう総括するのか。近年では、このまちづくりビジョン自体の存在を知らない新しいメンバーも増え、経年とともに風化しつつあるまちづくりビジョンをしっかりと総括し、新たな運動の展開に繋げることが今の私たちには求められているのである。さらに、私たちのコーポレートガバナンスともいえる組織ビジョンについても、中期運動指針を受けてのアクションプランの進捗状況、達成に対して検証を行い、市民から最も頼られ、必要とされる青年の集いとなるべくガバナンスの強化を行わなければならない。
そして、責任世代の青年の集いとして、軸のブレない、しっかりとしたビジョンを明確に持ち、「憧れと誇りのまち まつやま」実現に向け、市民の琴線に触れ、ACTIVE CITIZENを創造するまつやままちづくりのグランドデザインを描かなければならない。
天の時 地の利 人の和
わが町まつやまは、行政が中心となって司馬遼太郎氏の小説「『坂の上の雲』を軸とした21世紀のまちづくり」に取り組んでいる。そして、2009年11月より、NHKスペシャルドラマ『坂の上の雲』が3年間に亘り放送されることが決定している。わが町まつやまが輩出した秋山好古、真之兄弟、正岡子規の3人の偉人を題材としたドラマが日本全国に発信され、まつやまが日本全国から注目される非常に重要な1年となると認識している。多くの観光客が来松することが予想されるなか、2002年、松山城築城400年の年から運営を任されている「まつやま春まつりお城まつり」、そして、市民一人ひとりが将来まつやまをどのような「まち」にしたいのかを考え、行動していく場である「まつやま市民シンポジウム」についても、単なる市民イベントに終わらない更なる高みを目指す必要がある。そのために、先輩たちより連綿と受け継いできた、私たちのサンクチュアリともいうべき「堀之内」地区の活用を含めた企画運営を検討し、まつやま市民のみならず、日本全国からの多くの人々の参画につなげたい。
まさに、「天の時」である2010年、全国から注目されるわが町まつやまという「地の利」を生かし、「知恵」と「工夫」で市民の琴線に触れる事業を展開することで、多くの市民に参画いただき、「人の和」によって全国に向けて「憧れと誇りのまち まつやま」を力強く発信していきたい。
市民意識を魅了する運動の実践
―「あなたが、歴史をつくったのです。」― 先の衆議院議員選挙で歴史的な政権交代が実現した。今後、私たちを取り巻くさまざまな環境はいったいどのように様変わりするのであろうか。政治のレベルは国民のレベルであり、国民として、市民として、有権者として、私たちは結果に対して、その責任を負わなければならない。
私たちは、これまでの選挙においても、公平中立な立場でマニフェストを中心とした公開討論会・合同個人演説会を企画・運営してきた。私たちの運動は、どこかの政党に加担するものではなく、市民として果たすべき「義務」と「責任」の喚起である。そして、責任世代としてマニフェストがどのように実行され、私たちの国、私たちのまちがどのように良くなっているのかについてもしっかりと検証する機会を創出していきたい。さらに、2010年は憲法改正に向けた国民投票法が施行される歴史的な年であり、戦後レジームからの脱却が実現出来る、憲法改正にむけた国民投票が行われる可能性が現実のものとなった。今こそ、改憲、護憲に捉われないニュートラルな立場で、市民のリテラシー能力を向上させる憲法に関する活発な議論の機会を創出していく必要があると考えている。
また、私たちが行う様々な運動、事業に多くの市民に参画していただくために、記者会見やプレスリリース等を活用し、情報を戦略的に発信することで、対象者を明確にした情報戦略を推進すると同時に、全ての広報活動の根底にあるものが、メンバー一人ひとりの発言と行動に他ならないことを忘れず、全メンバーで松山JCを発信していきたい。
そして、市民意識を魅了する運動の継続的な実践により、ACTIVE CITIZENを創造することが、私たちの目指すべき「奉仕」(=Community Service)であると信じている。
人間力溢れる次世代の子どもたちを育む
今の子どもたちは、私たちが子供のころに描いていた様な未来への夢や希望が描けているだろうか。近年、子どもたちの学力低下、体力低下が社会問題となっている。「ゆとり教育」の弊害だと批判や非難が後を絶たない。確かに、「ゆとり教育」が本格導入された第一世代以降明らかに応用がほとんど利かなくなっており、考える能力が落ちていることが懸念される。本来、勉強に必要なのはゆとりではなく、スポンジのように知識をどんどん吸収する時期に、好機を逃さず勉強することである。しかしながら、かつての「詰め込み教育」を肯定するものではなく、既存の制度否定から急速な「ゆとり教育」への転換を果たした二者択一的な議論の問題点を精査し、現在否定されつつある「ゆとり教育」のなかにこそ、新しい教育の実践上の手がかりがあるのではないだろうか。また、子どもたちは、親の背中を見て成長するものであり、人間力溢れる次世代の子どもたちを育成するには、人間力溢れる頼もしい凛とした大人の背中を見せることが重要である。つまり、ひたむきに努力し、目標に向かって協力する大人たちの謙虚さ、忍耐などを見て、はじめて親の偉大さ、共に生きることの大切さを学び、決してあきらめず、一切の妥協を排して挑戦する姿勢から、夢や目標に向かって、たとえ失敗しても、何度でも努力する子どもたちを育むことが出来るのである。私たちは、人間力溢れる次世代の子どもたちを育むために、松山市青少年育成市民会議等と連携して「課題解決に向けた計画・実施」「実施後の検証」などの実践手法の研修を実施し、次世代のまちづくりの実践者たる「地域リーダー」を育成することに取り組みたい。
公益社団法人格取得に向けて
公益法人制度改革に伴う新制度が昨年よりスタートしている。ディスクロージャーによる組織の透明化と財務体質の健全化ならびにコンプライアンスの遵守など公益に与する法人としてのクオリティが求められているのである。松山JCとしては公益法人格取得に向けての取り組みを2007年度の定時総会において決議している。新しい制度への対応として、私たちの運動、活動の事業仕分けをしっかりと行い、意味ある事業を実施していくことはもちろんのこと、予算を含め事業を実施していく上での考え方や方向性をしっかりと整理・再構築する絶好の機会であると捉えて取り組みたい。そして、単年度で行われる「不連続の連続」の組織であるからこそ、次年度以降にもその運動・活動の歩みがしっかりと継承されるように、事業計画の段階から実施、事業報告ならびに決算までしっかりと再構築しなければならない。新制度への移行期間は本年を含めあと4年間あるが、市民から最も頼られ、必要とされる青年の集いを目指す私たちとしては早急に対応するべく、本年度の申請に向けて取り組みたい。
結びに -JAYCEE PRINCIPLE-
私たちはJCにいろいろな動機で入会する。それは160名いれば160通りの動機があるといっても過言ではない。しかし、大切なことは、正しい「意義ある運動」をしなければならないというモチベーションである。そして、自分のガバナンスを積極的に変えることである。人間にとって20歳から40歳までの人生の重要な転換期を何もこれといったことを為し遂げずにただ過ごしてしまうことは、非常に残念なことである。こんな時代だからこそ、コミュニティを軸とした意識でJC運動に参画することが自己形成に役立つのである。私たちは、愛する郷土まつやまのために責任世代としてどう生きるべきなのか。青年ならではの「若さ」「明るさ」による理想を追求する姿勢、知識情報を「集め」「比較する」ことによる独自の価値観の創造、先例にとらわれず合理的に問題を解決していく「リアリズム」と「合理性」、「励まし」「励み」人のつながりを大切にし、生涯学び続ける姿勢、これこそが、わが町まつやまが輩出した偉人である秋山兄弟に学ぶ人間力溢れる生き方、そして、私たち青年が持つべきPRINCIPLEではないだろうか。
JAYCEE It’s Possible!
先達がこれまで連綿と積み上げてきた歴史に感謝し、最も信頼する皆さんとともに
まつやまの未来は私たち青年がつくる。
基本計画
(基本理念・基本方針)
基本理念
人間力溢れる凛としたJAYCEEによる
憧れと誇りのまち まつやまの創造
~今こそ立ち上がろう!勇気と使命感をもって~
基本方針
1.市民とともに描く まつやままちづくりのグランドデザインの構築
2.頼もしい大人の背中溢れる 憧れと誇りのまち まつやまの創造
3.市民意識を魅了し、ACTIVE CITIZENを創造する運動の実践
4.互いに高め合い、市民の意識変革につながる人材育成と情報受発信
5.最も頼られ、必要とされる青年の集いとして公益に与する組織の創造
2010年度スローガン
It’s Possible!!
PRINCIPLEを持って
考える 気づく 行動する