本と乗り物とバンド活動に埋もれていた10代。
いつの間にか社会に出て広告代理店で仕事をしていた。
このころクライアントとの勉強会で、食に関する知識を得た。食の大切さ、食材の重要性。農産物の安全性。この国の農業事情など。
独立して仕事を始めたころ、僕は服を着ること、特にスーツを着飾ることが好きだったので、アパレルの仕事も始めて、広告の仕事をしながら、傍らで米や野菜を作ってみ始めた。
人が物事を始める理由は1つに起因するのではない。
尊敬するクライアントの経営者の方々と、食や食材、農に関する勉強ができたこと。
生まれが、広大な農地を持つ武家だったこと。
時代が現在で、農地は持ち主が耕作する習慣になっていたこと。
祖父が英霊になっていて、僕の思春期は祖母が細腕で広大な田畑で米や野菜を作っていたこと。
などが大まかな、僕が田畑をやってみるきっかけになったと思う。
思春期からは、毎日朝な夕なに鏡を眺め、美しく着飾って、乗り物が好きで、空調の効いた所で、食事したりお茶を飲んだり、美しく着飾った女性とデートをするのが大好きな僕が、田畑に立つ姿は親しい友達や僕の周りの人には想像しにくいだろう。
そう思って、そのギャップにとっても可笑しくなってくる。
在りしころの祖母が恋しくなって、最近良く思い出すが、田畑に立っていないときの祖母は、いつもきれいな着物を着飾って美しいいでたちだったことを改めて思い出している。
どんなものでも、美しくあることは、本望だ。富、繁栄してゆく事と同じく本願なのだ。
だから、普段美しく着飾って、優雅に仕事して、いつも美しさを意識することが、田畑から、素晴らしい作物を生み出す根拠になるのだと思っている。